実業って何?

ビットコイン(以下BTC)は日本では仮想通貨と呼ばれています。

でも、世界標準からすれば、明らかに誤訳です。
Crypt currencyを直訳すれば暗号通貨です。
Block Chain技術を使った通貨という意味からも
暗号通貨という言葉の方が本来の意味に近いです。

しかし、一度流通してしまった言葉を修正することは容易ではありません。
このブログでも一般的に流通している言葉の方が分かりやすいので、仮想通貨という言葉を使います。

なぜ、あえてこんな話を持ち出したか?
それは、集団心理です。

今手元に一万円札が一枚あるとします。
この一万円札はなぜ一万円の価値を持っていて、一万円分の買い物が出来るのでしょうか?
私は物心ついた頃(たぶん5〜6歳の頃)から、
なんで大人はこんな紙切れを後生大事にしているのか不思議でたまりませんでした。

答えは簡単です。

「皆が一万円は一万円の価値を持っていると信用しているから」です。

これは疑いようのな事実です。じゃあ、ここでいう「皆」って誰でしょう?
難し言葉でわかりやすく言うと(笑)、「経済活動、ここでは商品の販売、購買に関わる全て人間」としましょう。
まず経済活動については、非常に多岐にわたるのはご理解できると思います。
商品販売、購買というポイントだけに絞ってみたのは、分かりやすいからです。
商品を販売するお店の人は、商品を購入したい人から一万円札を受け取ります。
で、商品が一万円ちょうどであれば、商品と交換します。
あまりにも当たり前です。

では、あなたが適当な紙に「これは一万円と同価値である」旨の記載をした紙を渡したらどうでしょうか?
もちろん、これは経済活動以前に通貨偽造にでもなりそうですが。。。
まあ、これも答えを書くまでもありません。しかし、仮想通貨については、ここが結構重要なポイントになりますので、
忘れないようにしておいてください。

一万円札をはじめとした「通貨」はあまりにも当たり前のように存在しているので、
そこに疑問を感じることは日常生活では少ないです。
そうです。そこが先程の定義での「皆が信用」している「信用」にあたります。
一万円を得るにはどうしますか?

時給○○○○円、日給○○○○円であれば、何時間、何日働いて賃金を得ます。
その賃金は何を売っているのでしょうか?
ここはわかりやすく「労働力」としましょう。「時間」という答えもあります。
労働力というサービスを時間計算で売っている、というのが基本的なところでしょう。

自分で得意とする技能があれば、その技能を売っています。また技能を使って何かの成果物を
作成していれば、その成果物を販売して対価を得ます。
そのどれもが非常に貴重なものです。
でも、誰しもが何の疑問もなく、その貴重なものを販売して対価を得ています。

時給1000円で8時間働いた。さあ1日あたり8000円だ。
22日働いたとして、月176000円が賃金だ。

これは日常よくある計算です。内訳の金額には殆ど意味がありません。わかりやすく表現しているだけです。

では、上記の労働条件で働く契約をしていたにも関わらず、なぜか給料日になって給与明細を見たら
こうなっていました。あなたならどうしますか?

時給100円×8時間×22日=17600円

間違いなく、問題勃発です。でも、なぜ問題勃発なのでしょうか?
契約違反だからですか?もちろんです。
しかし、翻って考えてみましょう。

なぜその労働条件で契約したのか?
こんな問題が勃発している最中に、まずこの疑問を考える人はまずいません。
しかし、雇用主が「大変申し訳ない、ゼロを一桁間違えていた」ということで
一件落着したとしましょう(あんまり一件落着ではないかもしれない問題ですが。。。笑)

そう想像してみてください。
なぜその労働条件で契約したのか?

それは、自分としてその条件に見合うだけの労働力もあるし、
時間も提供できる。もっとくだけて言えば「まあまあの待遇だ」という事でしょう。
そうした時に雇用主との交渉で
「できれば時給10000円にして欲しいんですが?」と言う人はいません。
言ってもよいかもしれませんが、まず仕事を得る機会を失います。

それが信用なんです。
長々とつまらない例え話をしたのも、この「信用」を理解して頂きたかったからです。
何かを販売、購買するにはこの信用は必要不可欠だからです。